ポケモン シガナ 正体

各パートナーは、この情報とユーザーが各パートナーに提供した他の情報や、ユーザーが各パートナーのサービスを使用したときに収集した他の情報を組み合わせて使用することがあります。 ひがな『やや 飄々としたつかみ所のない言動が多く、常人には理解し難い思考の持ち主。 シナリオ「エピソードデルタ」では2回戦闘をすることになる。 彼女は「流星の民の末裔」で「現代における正当な伝承者」であること以外は謎になっている。 以上の通りかなり特徴的なヒガナの設定・行動は賛否が多く、その評価も大きく割れている。 ストーリー中にマグマ団/アクア団アジトのマツブサ/アオギリの部屋(殿堂入り前)に訪れると、詳しくは、 キミにきめた!にてサトシの旅に同行したシンオウ出身のマコトは母親と長い間連絡を取っていないそうだ。 そしてマコトの回想シーンで母親が出てくるのだが、髪の毛の色は茶髪ではあるものの「あのトレーナー」にそっくりだった。 2:2、数ではイーブンだがナタクもカノンも瀕死。そう考えると此方がやや不利。ここで確実にBREAKクリムガンを落とさないと敗北が見える。こうなると出せる指示は一つしかない。異能を持たないのだから、異能の代わりに育て上げた武器を振るうしかない。  ―――殺意を練り上げた。  ボスの様な威圧する殺意ではない。ボスはそれで空間を満たし、プレッシャーを与えながら反応から動きを読んでいた。だがそれよりも自分は生きるために食らいつく手段を求めた。殺意を練り上げ、固めて、纏めて、それを研ぎ上げて―――一本の刃の様に鋭く、刀の様に美しく、芸術的に作り上げる。そして完成された殺気の刃を悟られぬように常に隠し、保有し、  ここぞという場面でポケモンかトレーナーの心臓に突き刺す。 「ッ―――ァ」  BREAKクリムガンの動きが一瞬、怯んだように停止する。完全に意識外、トレーナーからの攻撃なのだから反応できるわけがない。心臓を鷲掴みされるような痛み、恐怖、ルールによって制限される公式戦では当たり前の様に禁じ手に類する類の技だ、 「捉えました」  即座にノータイムできあいパンチが入った―――更にそこから追撃を叩き込むように二発目のきあいパンチがBREAKクリムガンの水月へと叩き込まれ、怯みから連打のダメージにより今度は動きが停止する―――硬い。だがそれに続くように、 「―――良いサンドバッグでした」 「ぐる……ぁ……ぉ……」  断末魔が流星の滝に響く。それがナタクを祝福していた能力の上昇をすべて掻き消した。最後の最後で仕事をされたな、そう思いながらナタクを素早くボールの中へと戻し、そして視線をシガナへと向ける。その眼は最後の一体と言う状況へと追い込まれていながらも、決してあきらめのない、自信にあふれた瞳をしていた―――素晴らしい。実に素晴らしい。チャンピオン相手にそういう表情で殴りかかってくるのはチャンピオンリーグを勝ち抜いたポケモン馬鹿共を抜いたら……早々見つからないのだ。  もっと力を吐き出してお互いに燃え尽きる様に楽しもう。  それでこそポケモンバトルという競技の世界を堪能できる。 「頂点に立つ者の余裕で―――先手は此方から出してやる」 「―――まぁ、後出しも二人しかいないから意味がないんだけどねぇ!」  モンスターボールの内からカノンが放たれる。登場と共に再び古城が流星の滝を上書きし、塗り潰した。静かに耳をすませば古城の奥に眠り、そして渦巻く者共の声が聞こえて来る。その声はカノンを讃える様で、しかし同時に恨むようで、喜ぶようで、悲しむようで、そしてどこまでも災厄を貯めこむ滅びの坩堝だった。聞き入ったら精神がイカレそうだなぁ、と思いつつもシガナのリアクションを求め、視線は外さない。 「驚き……ました。ここまで追い込まれるとは」 「井の中のニョロモって言葉知ってる? こんなクッソ狭い場所にいるんだからそらそうよ」 「……かもしれません。ですが私にも伝承者としての誇りがあります―――ですから、恨まないでください」  そういうとシガナがボールを手に取る。それを掌の上に乗せ、そしてそっとその中に収められたポケモンの名を口にした。 「―――私を助けて、  ボールが内側から弾け飛び、破壊された。その中から出現するのは白い流線型のフォルムを持ったポケモンの姿だった。白く、そして青く、可愛らしく見える姿だったが、それがフィールドに登場するのと同時に発生するプレッシャーは今までの比ではなかった。全身から溢れさせるサイコパワーは明らかに通常のポケモンのそれではなく、通常のポケモンではどうしようもない絶望として描くことのできる存在だった。  準伝説級―――或いは幻級とも言われる極端なまでに生息数が少なく、数が極小にしか確認されていないポケモン。  ラティオス―――むげんポケモンラティオス。それが最後の一体の正体であった。そしてそれが登場するのと同時に自分の真横に空間の亀裂が発生する。その中から当然の様にツクヨミが出現し、中指をラティオスへと突き出していた。 「ちょっと待ってぇぇぇ―――!! それアリなら私もアリだろこれぇ―――!! フェアじゃない! フェアじゃない! わーたーしーもー出番欲しーいー!」 「うるせぇ黙れ引っ込んでろ今いい所なんだよ」 「あぁん」  確認するまでもなくツクヨミである事を理解している為、即座に裏拳で異界の中へと殴り戻しつつ、一切油断する事無く、ラティオスへと視線を向ける。だが変化はそれで終わりではない。ラティオスの体が反応する様に光に包まれ、そして長老が握っているパイプが共鳴する様に輝く。それはよく知っている現象なだけに、より強く―――心が燃え上がる。 「メガラティオス―――!」  むげん―――夢幻、或いは無限をつかさどると言われるラティオス、メガシンカを果たした幻のポケモンの圧倒的覇気が一瞬で異界の古城を揺らす。それに反応する様に異界の災厄が呪いとなってメガラティオスの動きを奪おうとその手を伸ばす。だが光を叩き割って出現したメガラティオスは古城を一睨みする。   メガラティオスから放たれたむげんの波動がその身を蝕もうとした古城の災厄を一気に振り払い、干渉を消し飛ばした。そのまま、乱気流が発生し、極大の風が発生し始める。来る、そう解っているのなら行動は早い方が良い。 「―――セット―――!」  殺意の刃をシガナに叩き込む。心臓の痛みにシガナが一瞬、ガリョウテンセイの動きを鈍らせる。その隙間を縫う様にカノンが即座に動き出す。その動きは攻撃動作ではなく、 「ステージを盛り上げて退場するのも悪くはないわね!」  自身をささげる―――おきみやげの動きだった。カノンの残された僅かな体力がすべて捧げられ、瀕死になる。それによって聞き遂げられたカノンの願いがメガラティオスへとまとわりつき、その能力を下げた。煩わしそうに放たれる幻のオーラがそれを半減させ、カノンが去るまでもなく内側から古城を破壊する様に吹き飛ばした。 「さすが幻か―――」  カノンをボールへと戻しながらナタクの入ったボールを手に取る。これで状況は1:1、相手がメガラティオスで、この状況、此方の手札がスティングだったら  背筋をゾクゾクと、悪寒が走る。  奇襲を成功させられた気分だ。    状況は絶望的であれば絶望的である程いいものだ―――そうだろう?  触れているボールがビリッ、とくる。電気の類ではない。純然たる、ナタクの放つ戦意、そして覇気によるものだ。幻、それもメガシンカを果たした存在に対して勝負を挑みたいと心の底から渇望しているのがナタクから感じられる―――ボールから放てばそこからは一切ノンストップ、ナタクかメガラティオスが倒れるまでは一切の休みは入らない。 「……次、ナタクを繰り出した時に僕が最後のサポートを入れる。それで眠っている潜在能力を引き出す。それがなんであるのかを僕は理解していないし、使いこなせるかどうかは解らない……だけど、よく解らないけど……なんか、何もしないってのはちょっと考えられそうにない」 「と、神サポーターのお声だ」  だからお前には二つの方法を教えよう、とボールを握り、伝える。 「ポケモンバトルは最終的には火力の勝負だ―――だから一撃でぶち殺す事。踏み込んで、叩き込んで、そして終わらす事」  これが一番基本的なスタイルだ。そして理想のスタイルでもある。なぜならばこのやり方は事故が発生しないからだ。安定しているとも言う。だから安定しない方法を教える。 「―――  ゲームシステムなんてものはなく、お行儀のよいターンなんてものもない。あるのは速度、戦略、効果、そしてポケモンの能力だ。それを組み合わせて相手をいかにねじ伏せるか。それを成すための二つ目の手段が死ぬまで攻撃を続ける事。だがこれはポケモンが一瞬でも反撃を繰り出せば失敗してしまう方法だ。それ故に安定せず、推奨もされない。  でも、だからこそ、  面白いのではないだろうか。 「蹂躙しろナタク」 「決着だ―――それを君の手で成すんだ!」 「私は、負けたくない。メガラティオス!」 「ほっほ、年甲斐もなく熱くなってきたわい」  ボールから解き放たれたナタクが音もなく静かにフィールドに着地した。ナチュラルから最後のサポートが―――潜在能力の覚醒が施される。それを受けたナタクの姿に一切の変化はなく、静かに一歩目を踏み出そうとし、  ぱぁん、と音を響かせてねこだましを放った。  普通、幻、或いは伝説のポケモンの類に対してこういう小技の類は通じない。しかしナタクの放ったそのねこだましはまるで意識外を意識して叩き込むもの―――先ほど己が殺気の刃でやったことを再現したのに近い事であった。それ故にメガラティオスはその強さ、性質、能力とは一切関係ない、ポケモンバトルからはもっとも縁遠い  故に、  ここが最初で最後のチャンス―――ここで屠れなければ次はない。  故にナタクは一瞬で踏み込んだ。コジョンドという種族が許せるその肉体を限界まで使用して踏み込み、大地を強く震脚で踏みつけながら、その背後へと抜け、裏拳を叩き込むように顎下から上へと叩き込んだ。一撃。それが脳を駆け抜けた―――が、メガラティオスを倒すには至らない。 「―――ラスターパージ!」  故に迎撃の指示が、トドメの指示がシガナから放たれる。それに反応すべくメガラティオスの指先が動こうとし―――震え、動かない。その現象にメガラティオスが驚いている。 「俺はチャンピオン! 不敗の王者! 運命とは平伏し、屈服させるものォ―――!」  頂点の執念でおうじゃのしるしの効果を無理やり引き出す。二度目はない。そしてその必要もない。ナタクは確かめ終わったかのように拳を握りしめていた。 「  そこから即座にみだれづきが五連続でメガラティオスの胴体に叩き込まれた。 「―――  みだれづきが成功してから更にれんぞくパンチを放ち、閃いたスキルリンクでそれを更に連続で確定させ、おうじゃのしるしがその効力を発揮してメガラティオスを拘束する。 「  はっけいを怯まされ、動けないメガラティオスの体へと叩き込んだ。 「―――  メガラティオスが一撃で麻痺し、その体が痺れる。てんのめぐみを投げ捨てて再びスキルリンクを覚えていると主張したナタクの足によるみだれづきが五発綺麗に腹へと叩き込まれ、肺から酸素を吐き出させつつおうじゃのしるしが輝く。そこかられんぞくパンチで顔面を殴り倒し、そこからばくれつパンチをボディへと叩き込んで麻痺とおうじゃのしるしで再び動きを拘束する。  特性、それは一種の精神性か、体質だと言っても良い。育成を通して塗り替えたり切り替えたりすることもできるだろう。だがそれを戦闘中に自由に切り替えるのはもはやそういう領域ではない―――これぞ、これこそ理不尽。  天賦、それも何かを切り捨てる事によって得られる天賦の極致。 「ハァ―――!!」  みだれづき、ばくれつパンチ、れんぞくパンチ、はっけい、スカイアッパー、連続で繰り出すそれをてんのめぐみやスキルリンク、そして天賦により元来備わっている絶大なセンスを天賦の才で支え、絶対に麻痺と怯みが発生する様に攻撃を叩き込む。それは天賦の才とは、種族的には絶対に届かないであろう存在、幻と称される存在に対する挑戦である、下剋上であり、  ―――オニキスのポケモンらしい、蹂躙だった。 「ラティ!!」 「―――」  シガナの言葉にメガラティオスが咆哮を轟かせ、    幻のポケモンがなす理不尽さで一瞬だけ覆し、とびひざげりの反動で後ろへと飛びながら着地を決めながら放たれたなげつける―――額におうじゃのしるしが浅く突き刺さる。  メガラティオスの行動が確定で止められた。 「  蹂躙されている事実にメガラティオスが大きく目を開く。しかしそれに一切応えもせず、一気に懐へと踏み込んだナタクが最後の一撃を放つ為の拳を作り、 「  きしかいせいが深く、メガラティオスの胴体へと突き刺さり、その意識を奪って流星の滝、もはや原型が残らないほどにボロボロとなったその大地に体を倒した。信じられないものを見る様な視線を向けるシガナと長老の姿を見て、少しすっきりする。  あぁ、実に楽しかった。  今の勝負、最初から最後までナタクが蹂躙できなければ敗北だったのだから。彼女はあとで労って、そして褒めてあげないと駄目だろう。それに最初の方でアドバンテージをロスしてしまった為に、後半、ナチュラルに頼りすぎた部分があるかもしれない。  まぁ、反省会は後に。  今は、 「ナイスファイト―――楽しいバトルだった! また命燃やして、魂を叩き込むようなバトルしようぜ。今度は俺の得意な6vs6でな」  ただ、この激戦を讃えたく、そして疲労感が気持ちよかった。

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